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界面活性剤について

  • 執筆者の写真: naohisa
    naohisa
  • 2023年3月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年3月4日

界面活性剤とは、ある界面(液液、固液、気液)を活性化させる能力を持った物質のことをいいます(surface active agent=surfactant)。


例として、水と空気の界面(気液界面)を考えてみます。分子のレベルで観察してみると、その水側の境界においては、実は水分子が自由に動けていない状態になっていて、隣り合う水分子と睨み合いのケンカをしている状態になっています(本来、界面でなければ自由な水分子の分子運動が硬直している。科学の言葉では、自由度が低い・エントロピーが小さいと言う言葉になります)。


なぜ、界面においては水分子が睨み合って硬直しているのかといえば、もっと液中ではあらゆる方向に隣りあう分子が存在して水素結合という握手やハグみたいなものを常にしあっているのですが、界面では空気側にそのパートナーがいないのでいつも同じ方向を向いてしまうからです。その方向もたいていは水素分子が空気側を向いています(後述しますが、電子的な偏りで疎水的に振る舞う)。


そういった、ケンカしている状況は好ましく無いのでなるべくその状態を解消しようとする方向に物質環境は動きます。つまり、その状態をなるべく安定させよう安定させようとして空気に触れている面積を出来るだけ小さくしようという事になります(エントロピーすなわち自由度をなるべく上げよう上げようという方向に現象は進んでいく)。これを表面張力と言い、水が気液界面では寄り集まろうとして小さくまとまろうとするのです。水ですら好ましく無い環境はなるべく少なくしようとするのです。人間社会もそうですよね。


さあ、いよいよ、そこに界面活性剤の登場です。先程説明したようにそのような水の状態がある上で、界面活性剤があるとどうなるか。


界面活性剤とは、一分子内に水に親和性のある部分(親水性)と油に親和性のある部分(新油性または疎水性)の両方をもった物質で、このような物質はその分子構造から両親媒性物質ともいいます。


さて、この様な分子が水中にある時どの様に振る舞うかといえば、濃度に依存して(実は温度もだがここでは述べない。)ある一連の動き方をします。低濃度の時は、疎水性(水に溶けない)の部分があるにもかかわらず親水性の部分に引きずられる形で水中に存在することができ、単分子の状態で漂っています。また気液界面付近では空気の側に疎水基を飛び出させて親水基を水中に向ける状態で釣りの浮きのような状態で漂っています。

 
 
 

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